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研究・書籍・ケース教材

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研究概要:消費者行動とマーケティング戦略

消費者行動研究は、1950年頃から企業のマーケティングの進展とともに急速に発展してきました。しかし、現在では、必ずしもマーケティング研究の領域とは見なせないところにまで研究範囲を広げてきています。また、多様な研究アプローチが現れ、消費者を様々な角度から深く理解しようとする研究も現れてきています(詳しくは、桑原武夫 (2006)、「ポストモダン消費者研究」、田中洋・清水聰編、『消費者・コミュニケーション戦略 現代のマーケティング戦略 4』、有斐閣、 p.203-230を参照)。

ただ、このような現状にあっても、私自身や松下研究室では、マーケティング戦略と消費者行動との関係を強く意識しながら、実証的な研究に取り組んできています。端的に言えば、「マーケティング視点にもとづく消費者行動研究」、そして、「有効なマーケティング戦略のあり方を明らかにするための消費者行動分析」が研究テーマです。マーケティング研究者としての視点から、実務の世界にも貢献できるような消費者行動の理論構築をすることを理想としています。

現在の研究テーマ

強いブランドを育成・維持するマーケティング戦略とは?

―顧客ベースのブランド・エクイティ、消費者のブランド知識の観点から―

強いブランドを構築するためには、どのようなマーケティング戦略が必要なのでしょうか。そもそも、ブランドの強さとは、いかなるメカニズムによって生じるのでしょうか。このシンプルな問いかけに対する答えを得るため、消費者行動の視点(顧客ベースのブランド・エクイティ、ブランド知識)から研究に取り組んでいます。

これまでは、清涼飲料水、お菓子、日用雑貨のような低関与の購買行動を研究対象としながら、景品やエンド陳列といった様々なセールス・プロモーションがブランドの強さの構築に対して、いかなる影響を与えているのかを理論的、実証的に明らかにしてきています。

今後は、研究対象を値引きやなどの各種セールス・プロモーションにも広げて、より包括的なフレームワークを構築する予定です。また、あわせて、ブランドの強さが生じるメカニズムを明らかにするための基礎研究にも取り組んでみたいと考えています。

これまでの研究成果

  • 松下光司 (2004)、「セールス・プロモーションによるブランド構築」、阿部周造・新倉貴士編著、『消費者行動研究の新展開』、千倉書房、p.119-136.
  • 松下光司 (2009a)、「セールス・プロモーションによるブランド・エクイティ構築― 一致度と精緻化を先行要因とした説明モデル」、『消費者行動研究』、日本消費者行動研究学会、 p.1-18.
  • 松下光司 (2009b)、「ブランド知識の特性がブランド・エクイティに与える影響」、『横浜経営研究』、横浜経営学会、p.177-190.
  • 松下光司 (2010)、「ブランド構築におけるセールス・プロモーションの役割」、池尾恭一・青木幸弘編、『日本型マーケティングの新展開』、有斐閣、p.249-265.

準備中の研究

  • 値引きプロモーションがブランド・エクイティを低下させるメカニズム(単独研究)
  • ブランド尺度の実証研究 (共同研究)
  • プライベート・ブランドの戦略論理 (共同研究)

現代日本企業の有効なマーケティング戦略のあり方とは?

―消費者行動、および消費者を取り巻く環境の変化の観点から―

企業のマーケティング戦略が向けられる対象である消費者は、現在その購買行動のあり方を大きく変えているように思えます。マーケティング担当者は、この消費者のあり様を、どのように把握したら良いのでしょうか。また、企業のマーケティング戦略は、そのような消費者に対して、いかに対応していくべきでしょうか。慶應大学の池尾恭一先生との研究会や社会人学生の皆さんとの討議をきっかけに、このような広い視野で大局的な社会の流れを意識する研究に取り組むようになっています。

これまでは、その研究会のなかで、生命保険業界におけるオープン型マーケティングの方向性について検討してきました。規制緩和や社会経済環境が消費者に対していかなるインパクトを与え、いかなる購買行動特性の変化を生じさせたのか、更には、そこで有効になるオープン型マーケティングとはどのようなものかを検討してきました。

今後は、消費者を取り巻く環境変化の最たるものであるインターネットを視野に入れた研究など、広い視野から研究に取り組んでいきたいと考えています。

これまでの研究成果

準備中の研究

  • 組織購買とインターネット(松下研究室1期生 小笠原一友さんとの共同研究)

その他の過去の主な論文

  • 松下光司 (1998)、「『消費者知識』研究の展開」、日本マーケティング協会、『マーケティング・ジャーナル』、第18巻2号、p.83-89
  • 松下光司 (2003)、「ブランドの象徴的便益が態度形成に与える影響 ―消費者知識概念に基づく考察―」、慶應大学博士論文
  • 松下光司 (2006)、「小売店舗のチラシ広告による店舗価格イメージの形成 ―イメージ形成ルールに関する考察―」、日本消費者行動研究学会、『消費者行動研究』、第12巻1・2号、p.1-22

テキスト・ケース教材など

テキスト・用語集

ケース教材

松下が担当する中央大学ビジネススクールの講義では、積極的にケース教材を使用した授業を展開しています。独自に開発したケース教材を、以下にご紹介します。

  • 「スーパーサンエイ(A)」(2008)「中央大学ビジネススクール所蔵ケース」
    東京都大田区にあるスーパーサンエイは、売上が伸び悩んでいた。この店の店長佐藤氏は、この現状を打開する必要があった。
    本ケースは、マーケティング課題をいかにマーケティング・リサーチ課題としてとらえ、リサーチを計画していくかを議論するためのものである。
  • 「スーパーサンエイ(B)」(2008)「中央大学ビジネススクール所蔵ケース」
    スーパーサンエイは、あるコンサルタントと協力して、周辺住民に対してマーケティング・リサーチを実施した。
    本ケースは付録であるデータを用いて、マーケティング・リサーチにおいて多用されるデータ分析手法、分析結果の読み取り方を学ぶためのものである。/li>
  • 「データ分析のためのノート」(2008)「中央大学ビジネススクール所蔵ケース」
    本ノートは、「スーパーサンエイ(B)」の付属データ分析手法を解説するノートである。統計ソフトIBM SPSS Statisticsを用いながら、マーケティング・リサーチにおいて多用されるデータ分析の分析手順を説明している。
  • 「スーパーサンエイ(C)」(2008)「中央大学ビジネススクール所蔵ケース」
    スーパーサンエイがコンサルタントと協力して実施したマーティング・リサーチの分析結果が提出された。佐藤店長は、この分析結果を用いて、今後のサンエイの方向性を導出する必要があった。
    本ケースは、分析結果から、いかなるマーケティング意思決定ができるのか、あるいは、すべきであるかを議論するためのものである。
  • 「池田病院(A)」(2009)「中央大学ビジネススクール所蔵ケース」
    セントラル市にある池田病院は、患者満足度を向上させ、入院患者数を増やすことを目指していた。院長はコンサルタントと協力して、患者満足度調査を実施し、満足度向上に必要な策を見出そうとしていた。
    本ケースは、マーケティング課題をいかにマーケティング・リサーチの課題としてとらえ、どのようにリサーチを計画していくかを、とりわけ専門サービス財の視点を取り入れながら議論するためのものである。
  • 「サンヨー食品株式会社:デュラムおばさんのフェットチーネ」
    サンヨー食品株式会社のマーケティング部は、2009年3月に導入された即席パスタの新ブランド「デュラムおばさんのフェットチーネ」の今後の方向性について模索していた。同社のマーケティング部としては,新ブランドの市場導入後の数ヶ月間の動向を振り返ると同時に,今後のブランド展開案を練りあげていく必要があった。>br />本ケースは、この即席パスタの新ブランドを題材としながら、ブランドのポジショニング、ブランド要素、企業ブランドの用い方などを学ぶためのものである。

その他(書評・エッセイ)

  • 松下光司 (2009)、「書評:マーケティング戦略論 レビュー・体系・ケース(戦略研究学会 編集、原田保・三浦俊彦 編著、芙蓉書房出版)」、日本マーケティング協会、2009年4月、p.31
  • 松下光司 (2009)、「消費者は変わったのか?」、Chuo Online12月21日。
 

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