2026年2月、有斐閣より『デジタル経済下の消費者行動 新たな消費の出現とマーケティング対応』(青木幸弘・野村拓也編)が刊行されました。松下は、第11章「デジタル技術の登場とマーケティング対応」を担当しています。
本書は、デジタル技術の進展がもたらす消費者行動の変化を体系的に捉え、その変化に対して企業がどのようにマーケティング対応をとるべきかを論じた書籍です。
デジタル技術の影響は広い範囲におよぶため、本書はまず議論の範囲を「デジタル経済」(デジタル技術に基盤を置く経済)に限定し、その中でも「プラットフォーム経済」に焦点を当て、デジタル・プラットフォームの登場と発展が消費者行動に与えた影響を論じています。そのうえで、デジタル技術の活用によって新たに生み出されつつある「デジタル化経済」、さらには人々のつながり方や消費者自身の変化にまでおよぶ「デジタル化社会」へと、段階を追って射程を広げています。
消費者行動については「消費行動」と「購買行動」の2つのレベルに区分し、それぞれの変化を検討しています。「持たない消費」「選ばない消費」「生み出す消費」「応援する消費」「つながる消費」といった新しい消費のかたちが、各章のトピックになっています。
全体は4部13章で構成されています。
第Ⅰ部 デジタル経済化と消費者行動の変化──基礎的概念,視点,枠組みの整理
第1章 デジタル経済化の進展とその影響(青木幸弘)
第2章 デジタル経済化と消費の変化(野村拓也)
第3章 デジタル経済化と消費者の変化(野村拓也)
第Ⅱ部 消費行動レベルの変化を捉える──プラットフォーム経済の出現とその周辺
第4章 一時的所有(山本晶)
第5章 心理的所有感(菅野佐織)
第6章 応援する消費(水越康介)
第Ⅲ部 購買行動レベルの変化を捉える──デジタル技術がもたらす新たな消費
第7章 選ばない消費(徳吉哲秀・芳賀英明)
第8章 生み出す消費(野村拓也・盛田真史)
第9章 つながる消費(宮澤薫)
第Ⅳ部 デジタル経済下のマーケティング対応──新たな消費に対応するマーケティングの課題
第10章 「持たない消費」のマーケティング(髙橋広行・財津涼子・大山翔平)
第11章 デジタル技術の登場とマーケティング対応(松下光司)
第12章 デジタル経済下での流通変化と小売マーケティング(新倉貴士)
第13章 デジタル経済下のブランド・コミュニケーション(宮澤正憲)
松下が担当した第11章は、消費者の購買意思決定においてAIが果たす役割を検討することで、マーケティングの手段としてAIを活用するための指針を示すことを目指しています。具体的には、営業活動と対比しながら、購買意思決定においてAIが提供できる価値をコミュニケーション価値とコスト削減価値に大別し、そのうえでAIを4つのタイプに類型化しています。さらに、関与と知識にもとづく消費者の購買行動類型ごとに、有効となるAIマーケティングの基本パターンを提示しています。
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